2004年の夏の思い出

「夏が来れば思い出す…」酷暑になればなるほど思い出すのが、2004年の8月に当時79歳のルース先生が劉生容記念館で5日間に渡り、ショパン、モーツァルトを中心に数十曲を演奏した凄まじい日々の思い出です。

ライブ録音もかねていましたので、雑音が入らないよう、演奏の時はエアコンを止めざるを得ず、室温が37度にも上がり、熱中症という言葉がなかった20年前ですが、79歳の高齢者がよくも1日8時間の練習と演奏で倒れなかったと今から思えば冷や汗が出ます。

その年に初めて発売したファン付きの服(空調服)を着て演奏をした最初(恐らく最後でしょう。37度の部屋で演奏をOKするピアニストは恐らくいないでしょうから。)のピアニストでもありました😊

空調服での演奏写真は貴重だと思います。ワークマンなど以外にも、ヤマハミュージックで販売出来ますね😊

たまたま私がルース先生が来られる直前に、新聞で発売の記事を見つけて、会社に電話をかけて、ルース先生の分と録音技師二人、調律師、家族の分を購入して演奏会と録音に臨みました。空調服がなかったら、歴史的な演奏はできなかったかもしれませんね。

何回も演奏会にこられた方は、持参した氷枕を抱きかかえて聴いてました。

この時のライブ録音は4枚の歴史的なCDとして残りました。

この演奏会の半年前、ルース先生が送って来た手紙に、「モーツァルトとショパンを対比したプログラムを思いついた」と書かれていました。「10歳の時、パリで師のコルトーの家でカザルス·トリオの練習の譜めくりをした時に、「モーツァルトはショパンのように、ショパンはモーツァルトのように演奏しなくてはいけない」というカザルスの言葉を思い出したので、それを自分の演奏で示したい」と、付け加えてました。

私は困ったと思いました。

というのは、それまで私はモーツァルトのピアノ·ソナタを苦手を通り越して、嫌いと公言しておりましたので。

大家や、自称他称のモーツァルト弾きと言われるピアニストのレコード、CDを片っ端から聞きましたが、どれも金太郎飴のように感じ、モーツァルトは本当に天才かとさえ疑っていました。

しかし、ルース先生の奏でるモーツァルトのピアノ·ソナタの一音一音に細胞が悦びを感じ、心のシワの一本一本にアイロンがかけられるように、どこまでも安らかになっていきました。

やはりモーツァルトは大天才でしたね。

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