「レコード芸術」誌2019年1月号で特選盤に選ばれました

ルース・スレンチェンスカのサントリーホールコンサートのライブCD(Vol.9 第16・17枚目)が、「レコード芸術」誌2019年1月号でまた特選盤に選ばれました。

「レコード芸術」2019年1月号 新譜CD評
「ルース・スレンチェンスカの芸術 Vol.9」 特選盤

濱田滋郎氏の推薦文

以前から“年齢を超えた至上のピアニスト”としてレコーディングが発表されていたスレンチェンスカ。なにしろ、まだラフマニノフ(1943年没)が在世中にその指導をうけたという、文字通りのレジェンドである。

近年はさすが引退されたかに見えていたが、どうしてどうして、2018年4月にサントリーホールで行われた93歳でのリサイタルは、私もその場で見聴きしたが、まさしく“現代の奇蹟”というにふさわしかった。

いま、CD2枚に全貌が収められたその夕べの記録を聴き返しても、素晴らしさは、少しも減じないどころか増してくるいっぽうである。
最初にショスタコヴィッチとバッハの<前奏曲とフーガ>を1曲ずつ。これらは正確さの半面、言うに言われぬ“人肌のぬくもり”を湛えた奏楽として聴衆の心に届く。つづくブラームスが、あえて“絶品”と呼びたいもの。<間奏曲>作品117-1、あの“自分の苦悩への子守歌”が、なんという優しさをおびて響いていたことか。

第2部(CD2)はベートーヴェンの<テンペスト>から始まるが、これまた行き届いた名演であるのに感服。迫力主体のヴィルトゥオーソ流とは当然違うが、優しさ、細やかさの至芸は、じつに驚くべき境地を告げる。あとはラフマニノフ、ショパン。<練習曲>作品25-12を見事に弾き上げてのちのアンコール、嬰ハ短調の<ワルツ>の得も言われぬ優しさ。

このアルバムには、できることなら「アカデミー賞」でも「特別賞」を呈したい。

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